こんなときは、巧緻よりも拙速の方がましだ。 | |
こんなときは、巧遅よりも拙速の方がましだ。 |
ドアを介して対称の位置に、同じフェニキア文字の掘られた杭が | |
ドアを介して対称の位置に、同じフェニキア文字の彫られた杭が |
誤 | 「一応、全員が無事で、帰るメドも立ったって、送っとけよ」 |
正 | 「こっちはなんとか無事で帰るメドも立ったって、送っとけよ」 |
正 |
「無事?」
「全員が、とは言えないがね」 遅い時間とはいえ、まだ日が変わる前に再び電話をかけてきたJDAの課長が、開口一番、DADも自衛隊の連中もほとんどが無事らしいと告げた。 どうやってそれを知ったのかは教えてくれなかったが、とにかく、戻って来るメドも立ったらしいから、細かいことは連絡があるはずだとだけ告げて電話を切った。 「ほとんどが、か……しかし、これをどうやって報告する?」 JDAの課長がそう言ってました。 うーん、さすがにこれだけでは無理だろう。もう少し根拠というものを── そう考えていたとき、もう一度呼び出し音が鳴った。 「はい、寺沢」 「寺沢二佐! 君津二尉のチームから連絡がありました!」 「なんだと? それで、彼女たちは無事なのか」 「残念ながら犠牲者が二名出たそうです」 「そうか……」 完全には避けられない事態だとはいえ、何度経験しても慣れないものだと、寺沢は小さくため息をついた。 「それと……彼女たちは、どうやら代々木の三十一層にいるそうです」 「は?」 彼は自分の耳を疑った。 横浜で行方不明になったチームの十二名が、丸ごと代々木の三十一層にいる? 「横浜の二層と、代々木の三十一層は繋がっているということか?」 「詳しいことは分かりません。それと今、第二報が入ってきました。え!?」 「どうした?」 「代々木の……三十二層で、セーフエリアらしき場所を発見したと」 「セーフエリアだ?」 それは人類が初めてダンジョンの中に拠点を造れる可能性ができた瞬間だった。 「それは、また……」 JDAの課長殿はそのことについて言及しなかった。つまりは知らなかった可能性が高い。彼はその場で、もう一度受話器を上げた。 |
誤 | ついでに自衛隊の十二名と、民間人二名が同時に消えたとの報告もあったが、その日の夜遅く、無事で見つかったと連絡があった。 |
正 | ついでに自衛隊の十二名と、民間人二名が同時に消えたとの報告もあったが、その日の夜遅く、見つかったと連絡があった。 |
誤 | とにかくすべては丸く収まったのだ。 |
正 | とにかく事態は一応の解決をみたのだ。 |
誤 | 今は、単純に全員が無事だったことを喜ぼう。 |
正 | 削除 |